2007年6月21日(木)「しんぶん赤旗」
パキスタン領に攻撃
32人死亡 アフガン駐留米軍か
【ニューデリー=豊田栄光】パキスタン北西部の北ワジリスタンで十九日、ミサイル三発が着弾し、少なくとも三十二人が死亡しました。ミサイルは、アフガニスタン反政府武装勢力タリバンに協力的な集団の訓練キャンプとみられる施設を直撃しています。パキスタン軍が作戦行動を否定しており、アフガン駐留米軍による越境攻撃の可能性があります。
ロイター通信が政府関係者と住民の話として報じたところによると、十九日午前、米軍の無人飛行機が施設のある山岳地帯のダッタケルに飛来し、攻撃しました。三つの建物と一つのテントが配置されており、約四十五人がいたもようです。外国人の死者がいることから、国際テロ組織アルカイダの施設だった可能性も浮上しています。
一方、地元住民は殺されたのはイスラム神学校の生徒三十四人だとし、「武装グループはそこにいなかった。政府の言い分はうそだ」と語っています。
欧米諸国は、北ワジリスタンなどアフガンとの国境地帯がテロ組織の聖域、活動拠点になっているとし、パキスタン政府に取り締まりの強化を求めてきました。
アフガン駐留米軍は昨年一月にパキスタン領内を空爆。そのときは民家三軒に命中、民間人十八人が死亡しています。