2007年6月21日(木)「しんぶん赤旗」

派兵延長・教育3法 成立

与党強行 戦争する国作り狙う

会期12日延長与党方針決定


 自民、公明両党は二十日、参院本会議で自衛隊のイラク派兵を二年間延長するイラク特措法改悪案と、教育に対する国家統制を強化する教育三法案の採決を強行し、両法案を賛成多数で可決、成立させました。日本共産党と民主、社民、国民新の各党が反対しました。

 両法案は、安倍晋三首相の「戦後レジームからの脱却」や戦争する国づくりに直結するもの。昨年の臨時国会の最終盤に参院本会議で、教育基本法の改悪と自衛隊の海外派兵を本来任務に位置付ける「防衛省」法を、一日のうちにごり押ししたのに続く暴挙です。

 民主党は、参院の委員会で採決を強行した自民党の田浦直外交防衛委員長と狩野安文教科学委員長の解任決議案を相次ぎ提出。午後一時からの参院本会議で与野党の攻防が続きましたが、両決議案は、与党の反対多数で否決されました。日本共産党は決議案に賛成しました。

 一方、衆院でも午後一時から、民主、社民、国民新の野党三党が提出した河野洋平議長不信任決議案の採決が行われ、与党の反対多数で否決。日本共産党は賛成しました。

 これに先立ち、自民、公明両党の幹事長、国対委員長らは都内で会談。二十三日までの国会会期を七月五日まで延長する方針を決めました。

 日本共産党はこれまで、イラク特措法延長は、イラク国民に多大な犠牲をもたらした米国のイラク侵略戦争をいまだに支持し続ける日本政府が、「人道復興支援」の名のもとで、自衛隊による米軍の戦争支援を続けるためのものだと批判。

 教育三法は、教育に対する国家統制の強化をはかり、これまで以上に教育現場を委縮させる内容で、学校、教職員、子どもたちにさらなる困難を押しつけるものだと反対してきました。


国会前 緊急抗議行動

 「採決強行を許さない。参院選で審判を下そう」。唱和が国会前で響き渡りました。教育改悪三法とイラク特措法改悪が強行可決された二十日夕、教職員や市民ら百五十人が緊急の抗議行動を行いました。

 全労連の小田川義和事務局長は「国民が求める年金や貧困と格差の問題に背を向け、悪法の強行をくりかえす政党に参院選で審判を下そう」と訴え。「教育改悪三法を学校現場に持ち込ませないたたかいをすすめる」(米浦正・全教委員長)「参院で審判を下すのが私たちのやるべきこと」(玉田恵・新婦人事務局長)との発言に、「よし」と声が飛びました。

 日本共産党の参院議員が駆けつけ、井上さとし参院議員は「数の暴力で悪法を押しつける勢力に平和も教育も語る資格はない」と批判。強行を重ねるのは国民との矛盾が広がっているからだと指摘、「悪法を許さないたたかいをさらに広げ、参院選で審判を下そう」と呼びかけました。

 行動は、国民大運動実行委員会、安保破棄中央実行委員会、中央社会保障推進協議会が呼びかけました。



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