2007年6月17日(日)「しんぶん赤旗」
東京大気訴訟
何が環境のトヨタか
本社前 原告ら 早期解決訴え
「トヨタ・渡辺社長は正当な解決金を決断せよ」―。東京高裁が和解案を二十二日に提示する東京大気汚染公害裁判で、同裁判の原告らが十六日、東京都文京区のトヨタ東京本社前で抗議の座り込みを行い、早期の全面解決を訴えました。座り込み行動は五日から十二日目です。同裁判では、すでに原告のうち百二十一人がぜんそくなどで亡くなりました。
この日、約三十人の原告や支援者が「原告が生きているうちに解決を」「トヨタは病人をいつまで座り込みさせるのか」と、トヨタ東京本社前でアピール。和解交渉が大詰めを迎えるなか、被告企業のトヨタなど自動車メーカー七社の謝罪と解決金の支払いが焦点となっています。
「私たちは渡辺社長が会うまでは座り込みをやめない」と横断幕をかかげて、座り込む東京都足立区の原告の女性(64)は「気管支ぜんそくになってもう三十年以上になる。元の元気な体に戻してくれるなら、お金はいらない。公害被害者に謝罪するということは、解決金を払うのがあたりまえでしょう。何が、環境にやさしい車、世界のトヨタか」と怒りをぶつけました。
同北区の原告の男性(56)は「ぜんそくで、退職せざるをえなくなった。死ぬか生きるか瀬戸際の発作を経験した。命懸けの座り込みです。トヨタは全面解決を一刻もはやく決断してほしい」と訴えていました。
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