2007年6月15日(金)「しんぶん赤旗」
母子加算削減は不当
母親ら145人が審査請求
全生連発表
全国生活と健康を守る会連合会は十四日、十五歳以下の子を持つひとり親の生活保護世帯に支給される母子加算が削減される問題で記者会見し、十三都道府県の母親ら百四十五人が削減の取り消しを求める審査請求をおこしたと発表しました。
生活保護の母子加算削減は老齢加算廃止につづくもので、十六歳以上は二〇〇七年度に廃止され、十五歳以下は〇九年度に全廃されます。
辻清二事務局長は「食べ盛りの子の食費は削れない」「汗をかいて帰ってくる子どもに毎日、お風呂に入れてやれない」「衣服はすぐに着られなくなる。我慢せよとはいえない」と審査請求した母親の声を紹介。「母子加算削減は食費や衣料費の支出を抑え、子どもに我慢を強いるものだ」とのべました。
辻氏は、一般の母子世帯と比べて加算を含めると、生活保護の基準の方が高いから加算はいらないとする厚生労働省の言い分を批判。「憲法二五条の健康で文化的な最低限度の生活の保障についての検証を抜きにしたもので、予算の都合で加算を削減するのは不当だ」とのべました。
須山利夫副会長は、十歳の子を育てる母子世帯では、母子加算を含めて月十五万五百七十円の保護費のうち母子加算が廃止されると15・6%が削られると述べました。
母子加算 生活保護を利用しているひとり親の世帯が子どもを育てるためには追加的な費用が必要だとして一九四九年に創設。十五歳以下では、市街地などの一級地で二万三千二百六十円、二級地は二万一千六百四十円。三級地は二万二十円。二〇〇七年度は三分の一を削減しました。