2007年6月14日(木)「しんぶん赤旗」
緑資源関連企業から
自民・青木氏に献金
3年間で2000万円
本紙調べ 特森協松江協議会中心に
農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」発注の林道整備業務などを受注する全国の森林土木業者やコンサルタント会社で組織する任意団体「特定森林地域協議会」(特森協)の会員企業から、自民党の青木幹雄参院議員会長(島根選挙区)の政党支部が二〇〇三年から三年間で二千万円を超す献金を受け取っていたことが本紙の調べでわかりました。
特森協は、受注額の0・3―0・5%程度の会費を集めており、昨年十月、緑資源機構に公正取引委員会の立ち入り検査が入った直後の十一月に解散。今回の官製談合事件で逮捕者を出した四法人は、いずれも会員でした。
同機構の前身の元森林開発公団理事で、松岡利勝前農水相に続いて自殺した山崎進一氏が副会長、相談役として受注調整の仕組みをつくってきたとされています。
特森協には、緑資源機構の全国八つの地方建設部に対応して八つの地区協議会がありますが、青木氏側に献金していたのは、同氏の地元である特森協松江協議会のメンバー企業が中心です。
青木氏が支部長の「自民党島根県参議院選挙区第一支部」の政治資金収支報告書(〇三―〇五年)によると、特森協理事で、特森協松江協議会の代表を務める稲塚公郎氏が代表取締役の「松江土建」が百万円など、特森協の会員企業十二社が計二千百五十一万円の献金をしています。
特森協は、「特森懇話会」という政治団体をつくり、松岡前農水相に〇五年までの五年間に五百二十万円の献金をしていましたが、青木氏にも〇五年までの三年間で計百二十八万円の献金をしていました。
緑資源機構は、青木氏の地元、島根県江津市などの「邑智(おおち)西部区域」で、森林と農地を一体的に整備するという「特定中山間保全整備事業」(三千八十ヘクタール、総事業費約百二十億円)を展開しています。東京地検特捜部は五月二十五日に同事業を所管する同機構松江地方建設部などを捜索しています。
本紙は青木事務所に献金の趣旨について、問い合わせをしましたが、回答はありませんでした。