2007年6月13日(水)「しんぶん赤旗」
年金記録方式に欠陥
庁史もとに小池氏指摘
「宙に浮く」からくり判明
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五千万件の所在不明の年金記録について、氏名の読み仮名の誤りが起きる仕組みになっていたことが、十二日の参院厚生労働委員会で明らかになりました。日本共産党の小池晃議員が、社会保険庁年金保険部業務一課・二課刊行『三十年史』をもとに取り上げたもの。
『三十年史』では、氏名を入力するさい、カナ変換ができないため漢字にひとつずつ四ケタの固定数字を付けて五千四百万件の記録を入力。その後、変換辞書によってこの数字をカナ氏名に置き換えたとされています。
同書で実例としてあげている「島崎藤村」の場合、こうしたやり方で変換すれば、「しまさきふじむら」と誤って記録される可能性があります。
小池氏は「これでは誰のものか分からなくなるのも当然。五千万件の宙に浮いた記録の原因のかなりの部分がここにある。システムそのものに問題があったのは明らかだ」と指摘しました。
「なぜ今まで隠していたのか」という小池氏の追及に、青柳親房社保庁運営部長は「私も今日見つけてきた」と答えて失笑を買い、「正確でないカナが収録された可能性がある」と認めました。
小池氏は、新たに千四百三十万件の不明記録が判明した問題で、その数が『三十年史』で千七百五十四万件と記されている事実を指摘し、「国会で指摘されるたびに新しい数字が出てくる。本当の数字はどうなっているのか」と追及。社保庁側は、まともに答えることができませんでした。
小池氏は「隠している資料をすべて出し、全容を明らかにすべきだ。そこから議論が始まる」と強調しました。
同時に、不安や混乱が広がっているなかで社会保険事務所での相談体制を強化し、すべての加入者・受給者に保険料の納付記録を送るよう要求。柳沢伯夫厚労相は「できるだけの回線を確保して応答できる体制をつくりたい」と答えました。
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