2007年6月10日(日)「しんぶん赤旗」

貧困とのたたかい青年ユニオン熱論

東京


 日本社会に深刻に広がる貧困を打開していくうえで、若者の労働運動を社会運動として発展させていこうと九日、東京都内でパネルディスカッションが開かれました。首都圏青年ユニオン、首都圏青年ユニオンを支える会が主催し、百人以上が参加しました。「現代の貧困とたたかう若者の労働運動」と題して、後藤道夫都留文科大学教授(首都圏青年ユニオンを支える会事務局)、『週刊東洋経済』の風間直樹記者、首都圏青年ユニオンの河添誠書記長が参加者と議論しました。

 後藤教授は、若者の貧困化には、正規雇用をフルタイム型の非正規雇用に置き換えたことにあると指摘。非正規の処遇が下がれば小企業の正規の処遇も下がり、二つの関係は連動して進行しているとのべ、「雇用解体に照応した個人加盟で非正規、低処遇の青年を対象にした青年ユニオンの役割は大きい。社会保障制度を勝ち取るたたかいと合わせて運動を発展させてほしい」とのべました。

 風間記者は、工場取材を通じて偽装請負の実態を知り、告発してきた経験を話し、「偽装請負は解消される方向ではなく、派遣に切りかえられただけであり、状況は何ら変わっていない」と懸念をのべました。

 河添書記長は、若者の雇用の実態について、低賃金とともに(1)残業代未払い(2)有給休暇なし(3)社会保険未加入―など違法状態がまかりとおっていると指摘。会社への組合加入通知、団体交渉の申し入れなどを通じ、加入した青年たちが自らの権利に目覚めているとし、「憲法二八条に保障された組合の団体交渉権を使ってたたかえば、最低限の労働条件は得られる。社会運動として発展させていきたい」とのべました。



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