2007年6月9日(土)「しんぶん赤旗」

全国一律1000円に

衆院委で高橋議員 最低賃金で要求


 労働関連三法案を審議中の衆院厚生労働委員会で八日、日本共産党の高橋千鶴子議員は、「人間らしく暮らせる賃金」にするために、最低賃金を全国一律千円にという党提案を示し、抜本的に引き上げることを求めました。

 高橋氏は、最賃審議会で最賃を決める際に、人間らしく働ける賃金ということより、企業の支払い能力が優先されていると指摘。全国一律最低賃金は世界の常識で、地域別最賃をとっているのは連邦国や発展途上国などILO(国際労働機関)が調査した百一カ国中、九カ国にすぎないとのべ、地域別最賃が地域格差を拡大しているのではないかと問いました。

 柳沢伯夫厚労相は、「地域格差を縮めたいとは思うが、最賃でというのは困難。最賃を一律に抜本的にあげれば企業の経営が成り立たない」と答えました。

 高橋氏は、地域別最賃が地域格差を固定化し、拡大しているとのべ、二〇〇四年と〇六年の地域別最賃を比べると、東京などは九円上がっているのに、低い県は四円にすぎず、最賃が高い地域と低い地域の差は百四円から百九円に広がっていると指摘しました。

 労働運動総合研究所の試算では、時給を千円に引き上げた場合、賃金増加額は二兆円を超え、その半分が消費に回れば、二兆六千億円の地域経済への波及効果があり、中小企業を潤すことになるとのべました。

 柳沢厚労相が「一般論としては同じ考え」としながらも「非現実的」と最賃引き上げに背を向けたことに、高橋氏は、「非現実的でかたづけるようでは、最賃問題での政府のスタンスが問われる」と批判しました。


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