2007年6月9日(土)「しんぶん赤旗」
タクシー
規制緩和見直しへ
小林議員質問受け 国交相が表明
冬柴鉄三国土交通相は八日の閣議後の記者会見で、タクシーの規制緩和の台数増加による過当競争を防止するため、特定の地域について新規参入などを一時的に規制する「緊急調整措置」が発動しやすくなるよう要件の緩和を検討したい考えを明らかにしました。
七日の参院国土交通委員会で、日本共産党の小林みえこ議員が緊急措置の要件緩和を求めたのにたいし、冬柴氏が「そのようにしたい」と答弁していました。
タクシーは二〇〇二年に台数と運賃の規制を緩和しましたが、過当競争によって低賃金や長時間労働などが横行し、事故が増えるなど社会問題になっており、見直しを余儀なくされたものです。
安全・安心を壊す規制緩和の見直しを求めてきた自交総連などタクシー労働者や経営者、日本共産党国会議員団のたたかいの成果です。
冬柴氏は、緊急調整措置を発動する要件は厳しく、使いにくい現状があるとのべ、「緊急措置がどうあるべきか見直しとともに、調整機能を働かせたほうがいいと思われるところについて真剣に考えていかなければならない」とのべました。
緊急調整措置は規制緩和と併せて導入されましたが、走行距離の減少率が五年間平均で全国平均を15%超上回るなど厳しい条件を課したため、実施されたのは沖縄本島だけ。これに対し、仙台で国の責任を問う裁判が起こされるなどたたかいが広がっています。
日本共産党は、規制を緩和した二〇〇〇年の道路運送法改悪に反対。自民、公明、民主党などが賛成しました。