2007年6月8日(金)「しんぶん赤旗」
自衛隊の国民監視
「悪くない」防衛相強弁
緒方議員 資料公開など迫る
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陸上自衛隊の情報保全隊が日常的に国民監視活動を展開していた問題で、日本共産党の緒方靖夫参院議員は七日、外交防衛委員会で「情報保全隊の活動は、憲法が保障する集会、結社、表現の自由を侵す」と指摘し、久間章生防衛相に対しすべての資料の公開を求めました。久間防衛相は情報収集の事実は認めましたが、「情報を収集することは決して悪いことではない」などと正当化する答弁に終始しました。
緒方氏が「(情報保全隊は)政党や市民団体、個人を調査するというこの種の活動をやってきたのか」とただしたのに対し、久間防衛相は「自衛隊の行動に対しては、さまざまな賛成、反対があるので、絶えず情報収集は行っている」と答弁。「(集会など)公開の場に出かけて事実を把握しており、法に触れることではない」と述べました。
今回の文書について緒方氏は、自衛隊の内部文書であることを確認するよう迫りましたが、久間防衛相は「私はつまびらかにできない」「秘密文書なら保存義務があるが、情報収集したものは三週間で破棄していいことになっており、チェックしようがない」などと明言を避けました。
緒方氏は「否定できないなら事実関係を調べるべきだ」と調査を要求しましたが、「内部の文書だから調べる必要もない」と応じませんでした。
派兵反対運動に参加した市民らの写真が撮影されていた問題では、久間防衛相は「撮ってる場合もある」と答弁。これに対し緒方氏は「警察でも撮影が認められるのは犯罪の証拠保全の必要性がある場合などだけだ」と指摘し、警察官が正当な理由なく個人を撮影することは憲法一三条に反するとした最高裁判決にてらしても不当な行為だと批判しました。
久間防衛相は「マスコミも一般にパチパチ撮っている。取材の場合は良くて自衛隊の場合はだめだという法的根拠はない」と述べました。