2007年5月31日(木)「しんぶん赤旗」
農水相自殺 各国の反応
英紙
辞任拒んだ安倍首相
【ロンドン=岡崎衆史】松岡農水相の自殺について二十九日付英各紙は、事務所費問題などスキャンダルを抱える松岡氏の辞任を拒んできたのは安倍首相だったと伝え、自殺が同政権にとって打撃となるとの見方を示しました。
ガーディアン紙は、「安倍氏は松岡氏の解任を求める(自民)党内の声に抵抗してきた」と指摘。さらに「松岡氏の死は、七月二十二日投票の参院選を前に、安倍氏に対するプレッシャーを強めることになる」としました。
デーリー・テレグラフ紙も「安倍氏は一貫して辞任を求める声から農相を擁護してきた」と報道。タイムズ紙も、「辞任を求める声は、与野党で拡大し始めていた」にもかかわらず、「安倍氏は、松岡氏はすべてを適切に処理してきたといって支えてきた」と伝えました。
タイムズ紙はまた、農水相の自殺が安倍内閣への支持率急落と重なったことを指摘。その背景として、年金記録漏れの問題だけでなく、平和憲法や教育基本法を変える動きがあることを伝えています。
仏紙
安倍政権の弱体化招く
【パリ=浅田信幸】松岡農水相の自殺について、三十日付仏紙ルモンドは「安倍政権をいっそう弱体化させる」と報じました。
同紙は、緑資源機構の前身、森林開発公団の山崎元理事の自殺にも触れて、「安倍内閣にとってきわめて厄介な問題」であり、七月の参院選に影響があると指摘。安倍内閣は「権威に欠け、政治スキャンダルの扱いが不透明だ」と批判されているとしています。
また二十九日付フィガロ紙は「政権が窮地に追いやられている」とし、「首相の指導性が改めて問われて」おり、「首相自身は、国民には理解しがたい遠回しの表現でしか発言しなくなっている」と皮肉っています。