2007年5月31日(木)「しんぶん赤旗」
乳幼児医療費無料化
国の制度早く
子どもひざにママ迫る
親や医療関係者らでつくる「乳幼児医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」は三十日、国会内で集会を開き、小学校就学前の子どもを対象とした国の乳幼児医療費無料制度の早期創設を求めました。
子どもを連れた母親を中心に六十七人が参加。小池晃政策委員長・参院議員をはじめ、日本共産党国会議員団も激励に駆け付けました。
呼びかけ人の新日本婦人の会の高田公子会長と全国保険医団体連合会の住江憲勇会長があいさつ。高田会長は「貧困と格差が広がる中、乳幼児医療費無料化は各地で拡充されるようになりました。草の根の運動の成果です」と述べました。
住江会長は「請願署名は百万人を突破。さらに二百万、三百万人へと運動を広げよう」と訴えました。
小池氏は、国会の論戦の中で国の制度化には、千九百億円の予算が必要との答弁を引き出したことを紹介。「イージス艦一隻千四百億円など無駄な予算を見直せば実現可能だ」と話しました。
集会後、新婦人の高田会長と十二人の母親が、柳沢伯夫厚生労働相に面会し、国の乳幼児医療費無料化制度の創設などを求める要望書を手渡しました。
高田会長は、柳沢厚労相に今回の集会に超党派の国会議員が賛同したことを紹介し、国の制度としての実現を求めました。
参加した母親らは、自らの体験を紹介しながら制度の実現を要望しました。
小学三年生の母親=大阪市=は、子どもが助成の対象だった時は無料で済んだものが、就学後、同じ病気にかかり入院費も含めて八万五千円負担した経験を話し、「国が制度をつくって自治体で上乗せしてくれたらありがたい」と訴えました。
別の母親=川崎市=は、三人の子育て中です。「居住地や収入によって、助成の内容が違うことに疑問を感じます」と話しました。
柳沢厚労相は、子育て支援策のひとつとして、予算の配分も含めて検討していきたいと述べました。
運動40年 広がる
乳幼児医療費無料化は、四十年以上にわたる父母・国民の要求実現の運動で、地方自治体を動かし、広がってきました。しかし、国は一貫して実現に背を向けてきました。
新日本婦人の会が最初に声をあげ、日本共産党は当初から運動に協力、一九七一年、国会で「乳幼児医療費の無料化」を求めました。地方議会でも、くり返し取り上げ、自民党や公明党が何度否決しても、父母・国民と協力して世論を広げてきました。
現在では、全国千六百以上の自治体で無料化が実現し、「小学校卒業まで」「中学校まで」と、さらに広がっています。
一方、自民・公明政権は自治体の助成制度を支援するどころか、窓口負担をなくしている自治体に、国庫負担金を減額するペナルティーを科しています。
日本共産党は助成自治体に対するペナルティーをなくし、乳幼児医療費の無料化を国の制度にすることを求めています。
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