2007年5月24日(木)「しんぶん赤旗」

事務所費 談合献金 巨額不動産

自公民 制度見直しで幕引き図る

「政治とカネ」集中審議


 衆院予算委員会は二十三日、安倍晋三首相はじめ松岡利勝農水相ら関係閣僚が出席し、政治資金問題などに関する集中審議を行いました。日本共産党の佐々木憲昭議員が生保・損保業界の自民党への献金問題を追及したのをはじめ、安倍内閣の閣僚、自民・民主の議員らが家賃ゼロの議員会館に多額の「事務所費」を支出していた問題などが問われました。与党、民主党はそれぞれ身内に抱える疑惑に徹底的にメスを入れようとせず、制度見直しで幕引きをはかる姿勢をみせました。

 「法律に求められているなかで説明を果たしている」。安倍首相は多額の事務所費・光熱水費疑惑を抱える松岡農水相をかばいました。松岡農水相の疑惑は、政治資金の「出」だけでなく、官製談合にかかわった法人からの二千六百万円にのぼる政治献金を受け取った「入」の問題も浮上しています。

 松岡農水相は「法律に基づき適切に報告している」「(届け出る政治資金収支報告書の内容を)一つひとつ確認するのは大変だ」などと居直りました。安倍首相は「大臣職を務めているため、忙しい」とさらにかばう始末です。

 民主党は、岡田克也副代表らが「説明責任が果たされているといえるのか」と松岡農水相の疑惑をとりあげましたが、そのたびに政府・与党側から「総額十億円余の不動産を個人名義にしている政治家はほかにいない」(安倍首相)などと、小沢一郎民主党代表の資金管理団体による不動産取得問題で揺さぶられる事態になりました。与党同様、民主党の質問からは小沢氏の不動産取得問題で新たな調査を行う姿勢はみえませんでした。

 疑惑未解明のもと、与党と民主党が今後の対応で持ち出しているのが政治資金規正法の見直しです。与党は、政治家個人の資金管理団体を対象に人件費を除く五万円以上の経常経費の支出に領収書添付を義務付ける同法改定案の今国会提出を予定しています。民主の岡田副代表は「なぜ資金管理団体に限定しているのか」「他の政治団体への付け替えもできる」と批判しました。

 安倍首相は「お金を取り扱う流れの中心になっている主たるものは資金管理団体だ」と答弁。公明党の東順治副代表は「総務相届け出分の団体だけでも相当ある。すべての政治団体への領収書添付は大変混乱する。さまざまな問題を惹起(じゃっき)してはた迷惑的なものになる」と与党案を評価しました。



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