2007年5月22日(火)「しんぶん赤旗」
教育3法案参院審議入り
首相「愛国心」指導を強調
教育への国家の介入を強め、教育現場の困難をさらに拡大する教育三法案は二十一日の参院本会議で審議入りし、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して趣旨説明が行われました。与党は今国会での成立をねらっています。
質疑で安倍首相は、「義務教育の目標を実現するため、今後学習指導要領を改訂し、授業時間の確保、道徳教育や体験活動の充実などにより、すべての子どもたちに高い学力と規範意識を身に付ける機会を保障する。『我が国と郷土を愛する態度』を養う指導がいっそう行われるよう努めていく」と述べました。
学校教育法改定案は、「規範意識」や「我が国と郷土を愛する態度」など多くの徳目を義務教育の目標に掲げ、達成を義務付けています。また、学校組織を大きく変え、「校長↓副校長↓教頭↓主幹教諭↓指導教諭↓教諭」という上意下達の体制にし、上からの統制を強化しようとしています。
教員免許法等改定案は、教員の免許に十年の有効期間を定め、講習修了を免許更新の条件とします。教員の身分を不安定にし、ILO(国際労働機関)・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」に反するものです。
地方教育行政法改定案は、文部科学相の「是正の要求」「指示」を新設し、地方教育行政や学校への国の関与を強化するものです。伊吹文明文科相は衆院の委員会審議で「日の丸・君が代」の実施も対象になると答弁しています。
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