2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」
放送の独立 世界の流れ
吉井議員 政府の介入を批判
放送を政府から独立させるにはどんな仕組みが必要か。十八日、衆院総務委員会で質問に立った日本共産党の吉井英勝議員が提起しました。政府が国会に提出した放送法「改正」案が、放送内容への政府の介入につながる条項を含んでいることから、この問題を取り上げました。
吉井議員は、「放送への政府の介入に対して、国際的にはそれを防ぐ工夫がなされている」と述べました。アメリカのFCC(連邦通信委員会)やイギリスのOFCOM(通信庁)、フランスのCSA(視聴覚最高評議会)などを挙げ、OECD(経済協力開発機構)加盟国三十カ国のうち二十六カ国が「政府から独立した規制機関」だと指摘。「OECD加盟国では、政治からの独立を保障する制度を作り上げている。放送法改正で政府の介入権限強化を考える前に、日本の大臣独任制がふさわしいか、真剣に考えるべきだ」と迫りました。
菅義偉総務相は「各国の行政機関のあり方は、歴史的経緯や政治体制、事情によってさまざま。現在の独任制が適当」と答弁。吉井議員は「放送の政治からの独立は世界の流れ」とのべ、OECD加盟国の放送行政機関の調査を要求しました。
吉井議員は二〇一一年のアナログ放送停止問題を取り上げました。政府は、一一年までに一億台のアナログテレビがすべてデジタルテレビに買い替えられる、としてきました。吉井議員は、業界がデジタルテレビの一億台普及は不可能で、アナログテレビが千四百二十八万台残ると予測していることを示し、「達成不可能と突きつけられているに等しい。アナログ放送停止を再検討するように」と強く求めました。