2007年5月19日(土)「しんぶん赤旗」

「平和憲法改定は悲しい記録に」

UAE紙 社説


 【カイロ=松本眞志】アラブ首長国連邦(UAE)の英字紙ハリージ・タイムズは十七日、日本国内での最近の憲法改悪の動きについて論評し、「日本が平和憲法改定に着手するならば、明らかに、われわれが生きている時代の悲しい記録となる」と報じました。

 同紙は、「変化する世界の中の日本」と題する社説で、「第二次世界大戦は日本に荒廃をもたらしただけでなく、(日本の)軍事的冒険主義の愚かさも示した」と指摘。世界大戦の惨事の教訓をふまえてつくられた平和憲法が、日本に将来の軍事的野望を放棄して経済発展に集中するよう促したと述べました。

 同紙は、憲法改悪の動きの背景に、在日米軍とこれに対抗する中国、北朝鮮などの軍備拡大、最近の米軍によるイラク侵攻・占領があるとし、これらが日本国憲法の平和構想をはじめとする世界の平和への志向を弱め、後戻りさせようとしていると指摘しています。

 安倍首相が進める憲法改悪の動きについては、「日本が必要とあれば世界中に軍事的打撃を拡大できるようにするものだ」とし、日本の憲法が、戦争のない世界を目指す理念をもっていると評価しました。さらに、日本が軍備を保有し、世界有数の軍事予算をもっているものの、平和憲法がこれらを実際の戦争に使用されるのを防いできたと述べています。



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