2007年5月18日(金)「しんぶん赤旗」
4億人 地雷原で生活
クラスター爆弾 NGOが告発
【パリ=浅田信幸】多数の子爆弾をまき散らす無差別殺傷兵器であるクラスター爆弾の禁止を求める非政府組織(NGO)のハンディキャップ・インターナショナル(本部=中仏リヨン)は十六日、「四億人が事実上の地雷原で暮らしている」と警告し、改めて同爆弾の禁止を訴える報告書「衝撃の範囲」を発表しました。
報告書は、不発弾として地上に放置された子爆弾による死傷事件は、推定を除いた確実な数で一万三千三百六件にのぼると指摘。「控えめな推定」では五万五千件、実際には十万件にも達しうるとしています。
同NGOは以前の報告で、死傷事件の98%で民間人が犠牲となっていると公表していました。
同爆弾が投下された国は、第二次大戦後では米軍による攻撃を受けたベトナムが最初で、少なくとも二十五カ国にのぼります。報告書は不発弾として地上に残された子爆弾を四億四千万発と推定。もっとも「汚染された国」としてアフガニスタン、カンボジア、イラク、ラオス、ベトナムの五カ国をあげています。
報告書は、今月下旬にペルーのリマで開かれるクラスター爆弾禁止国際会議を前にして発表されました。今年二月にはノルウェーのオスロで開かれた会議で、四十六カ国が二〇〇八年に同爆弾の国際禁止条約の成立をはかることを確認しており、リマ会議は条約文作成に向けた最初の会議となります。