2007年5月17日(木)「しんぶん赤旗」

強制連行裁判の最高裁不当判決

中国で被害者ら抗議


 【済南(中国山東省)=菊池敏也】中国人強制連行被害者およびその遺族、対日戦後補償裁判の弁護士らが十五日、中国山東省の済南市内で記者会見を開きました。四月下旬、日本の最高裁が中国人強制連行被害者および「従軍慰安婦」被害者の賠償請求を相次いで棄却したことに対して、「きわめて大きな憤り」と「強い抗議」を表明した抗議文を発表しました。

 記者会見では、戦前に山東省から日本へ強制連行され、戦争後も十三年にわたり北海道の原野をさまよった劉連仁(故人)の遺族の劉煥新氏(中国人強制連行被害者でつくる「聯誼会」会長)が「聯誼会」の抗議声明を発表しました。「強制連行被害者の正当な要求と動かしがたい歴史事実を前にして、最高裁が国際法を無視し、中日共同声明を解釈したことは不当であり、無効だ」と批判。日中共同声明を「曲解」することは、中国人への「再度の加害」であり、氷がとけ始めた日中関係を冷え込ませるものだと非難しました。

 北海道に強制連行された王子安氏は、山東省の被害者を代表し、抗議声明を発表。対日戦後補償裁判の弁護にあたってきた付強弁護士は、山東省弁護団の抗議声明を読み上げました。


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