2007年5月17日(木)「しんぶん赤旗」
学校教育法改定案
道徳の点数評価困難
石井議員質問に文科相答弁
日本共産党の石井郁子議員は十六日の衆院教育再生特別委員会で、学校教育法改定案が「我が国と郷土を愛する態度」や「規範意識」など多くの徳目を義務教育の目標に盛り込んでいることについて、すでに「規律ある態度」を評価の対象としている埼玉県と広島県の実態を示して批判しました。
石井氏が「態度は評価できないのではないか」と追及したのに対し、伊吹文明文部科学相は「これらを教えるのは道徳や特別活動だが、点数で評価するのは難しいし、そういう性格のものではない」と答えました。
埼玉県では県教育委員会が、「規律ある態度」の達成目標を掲げて、(1)靴箱の靴のかかとをそろえることができる(2)机やロッカーの中の整理整とんができる(3)人の集まるところでは口を結ぶことができる―など十二項目の達成が各学校に迫られています。クラスの子どもに自己評価させ、向上率を競い合わせているといいます。
広島県のある学校でも「トイレのスリッパを全児童の80%がそろえられる」「手洗い場を全児童の80%以上がきれいに洗う」などを評価基準として達成を迫っています。90%以上ができると「A」となります。
石井氏は「学校現場を子どもたちにとって息苦しいものにしている。法律の改定で、競争にいっそう拍車をかけることになる。子どもの内面・人格を見るというよりも、表面的な教育になりかねない」と批判しました。
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