2007年5月14日(月)「しんぶん赤旗」

年金改悪

「百年安心どころか1年で不安」

NHK討論 市田書記局長の発言(要旨)


 日本共産党の市田忠義書記局長は十三日、NHK「日曜討論」に出演し、「政治とカネ」、社会保険庁「改革」のテーマで、自民党の石原伸晃、公明党の北側一雄、民主党の鳩山由紀夫、社民党の又市征治、国民新党の亀井久興の各党幹事長(代理)と討論しました。司会はNHKの影山日出夫解説委員。

「政治とカネ」

 「政治とカネ」の問題では、与党と民主党のそれぞれの政治資金規正法改定案をめぐり討論したのにつづき、事務所費問題にかかわった議員の説明責任についての話に移りました。

 石原氏が、「(事務所費に関する)細目を自民党議員は平成十九年度から明らかにしようという提案をしたい」と、過去は問わない態度を示したのにたいし、市田氏は松岡利勝農水相の問題で次のように指摘しました。

 市田 議員会館を資金管理団体の事務所にしている場合は、家賃もただ、光熱水費もただなのに、松岡さんは五年間、光熱水費だけで二千八百八十万円計上している。「なんとか還元水」といわれるが、議員会館の事務所の蛇口は一つです。笹川さんという自民党党紀委員会の責任者だって、「自分も還元水の装置をつけているが、一台二十万円で五、六年もつ」というように、誰がみたっておかしい。新しい法律はザル法であるが、五万円以上のものをさかのぼって公表するのかというと、安倍首相は必要ないっておっしゃっているんですよ。そうすると、これは疑惑隠しの、選挙目当ての法律づくりだと、国民がそう見てもやむを得ない。私は偽証罪に問われる証人喚問をやるべきだと思います。

社保庁「改革」

 社会保険庁「改革」問題では、与党と民主は組織「改革」、職員の「体質改善」による徴収強化の議論に終始しました。市田氏は、「政府案で信頼回復できるとは思わない」とし、次のようにのべました。

 市田 自公と民主の話を聞いていて、欠けていることがあると思います。社会保険庁問題で国民が一番怒ったのは、保険料を使ってグリーンピアなど豪華でムダな施設をつくったり、幹部職員がゴルフに興じたりということに怒りがわいたわけで、公務員バッシングとか徴収強化の話にもっていくべきではない。

 国民がどうして保険料を払えないのかといえば、一カ月約一万四千円を二十五年間掛けつづけないともらえず、給付額は平均四万数千円です。世界にも例のない過酷な制度を改めてほしいというのが国民の願いです。しかも、本来、厚生年金に入るべき人まで正社員を請負やパートにして国民年金のほうに入らざるを得なくしており、今度の案でいくと、国民健康保険料をきちんと払っていても、国民年金の保険料を滞納した場合には短期保険証に切り替えるということまでやる。そういうところにこそメスを入れるべきです。

 また保険料のムダ遣いに関し、北側氏が、「年金業務にかかわるコストは保険料でまかなう」と主張したのにたいし、市田氏は次のようにのべました。

 市田 事務費はこれまで国庫負担だったのを、橋本内閣のときに、財政が大変だといって、臨時特例措置として、保険料から出すということにしてつづいてきたんです。この一時的なものを今度の法案で恒常化することは問題で、公的年金なんだから事務費は国が責任をもつのは当たり前で、保険料は基本的に給付に使うのが当たり前です。

 さらに、年金制度そのものに関して、北側氏は、「三年前に相当な改革をおこない、年金財政は非常に順調」などと強弁しました。

 市田 「百年安心」と公明党はさかんにいうが、一年だけでも不安ですよ。定率減税を全廃し、年金にまで課税すると。これでどれだけ庶民が苦しんでいるか。庶民にたいする負担増でこれをやるというのは、「百年安心」どころか一年でも不安です。(北側氏が「不安をあおるのが共産党」といったのにたいし)役所がパニックになるくらい問題になった。公明党は反省すべきです。給付が少なくて負担が高いというのがいまの年金の一番の問題ですから、土台をきちんとするため、全国民共通の、加入年数を要件としない最低保障年金制度を(全額国庫で)つくって、そのうえに掛け金に応じて支給する制度に変えていくことが必要です。



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