2007年5月13日(日)「しんぶん赤旗」
今週の国会
改憲手続き法 あす成立狙う
与党 教育3法案 衆院通過も
国会は六月二十三日が会期末です。七月の参院選挙を控え会期延長が困難ななか、政府・与党は週明けに改憲手続き法案(国民投票法案)の成立に続き、重要法案を衆院で通過させようとしています。終盤国会は大きなヤマ場を迎えます。
改憲手続き法案は十四日の参院本会議で採決されます。これは与党と民主党が決めた日程です。
国民主権の行使にかかわる憲法と直結した重要法案であるにもかかわらず、与党と民主党は国民の声を聞く中央公聴会さえ開かず十一日の参院憲法調査特別委員会で採決。民主党は付帯決議で与党と軌を一にしました。「自公の暴走に手をかした民主党の責任は重い」(日本共産党の志位和夫委員長)ものがあります。マスメディアも「民主ほぼ無抵抗」(「日経」十二日付)と指摘しています。法案は、審議をすればするほど矛盾と問題点が浮かび上がっています。このまま成立させることは、国民世論を乱暴に踏みにじるものです。
緊迫しているのが、教育三法案です。日本共産党の論戦で「日の丸・君が代」を指導しない学校には文部科学相による「是正要求」が適用されるなど国の教育統制ぶりが明らかになっています。法案を審議している衆院教育再生特別委員会は地方公聴会、参考人質疑、中央公聴会を開催。それを踏まえた徹底審議が求められますが、与党側は今週末に特別委と本会議で採決し、衆院を通過させようとしています。
自衛隊のイラク派兵を二年間延長するイラク特措法延長案について与党は衆院イラク特別委員会で十四日に採決することを繰り返し提案。同日午前は安倍晋三首相出席で質疑、午後には一般質疑が行われます。日本共産党の追及で政府がイラクでの航空自衛隊の活動実態を隠し続けている問題が浮上。採決どころか徹底審議が必要です。
在沖縄海兵隊のグアム移転費を日本側が負担し、在日米軍再編への協力の度合いに応じて関係自治体に「再編交付金」を交付する在日米軍再編促進法案、十四歳未満の少年が起こした事件で警察に強制調査権を付与する少年法改悪案は参院の各委員会で審議が行われますが、「衆院から重要法案が送られてくるのに日程を合わせなければならない」(参院自民国対)と来週以降の採決を視野においています。
十五日の衆院本会議では、天下りを自由化する国家公務員法改定案と民主党の対案が審議入り。また、野党党首が安倍首相に質問する党首討論が十六日に今国会初めて開かれます。
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