2007年5月12日(土)「しんぶん赤旗」

イラク国民議会

占領反対派が過半数

米軍撤退行程表を要求


 【カイロ=松本眞志】イラク国民議会内で、米軍主導の多国籍軍のイラク占領に反対する議員の数が過半数に達し、政府に米軍撤退の行程表を要求していることが明らかになりました。


 イラクの議会筋が十日明らかにしたところによると、議会内にイスラム教シーア派の指導者ムクタダ・サドル師を支持する議員を中心に、「独立戦線」と呼ばれる会派が最近つくられ、多国籍軍のイラク占領反対を主張しています。

 サドル派は国会内の最大会派「イラク統一同盟」に所属しています。「独立戦線」には、スンニ派の「イラク合意戦線」、世俗派の「イラク国民名簿」所属の議員も含まれているといいます。

 イラク国民議会の定数は二百七十五。イラク議会筋は、「独立戦線」が当初、百三十人で発足し、現在では議員総数の半数を超えたと指摘。同会派が米軍撤退の行程表を求めているだけでなく、周辺諸国との関係、治安回復にかんする明確な政策を政府に要求しているとしています。

 米国の市民団体、米フレンズ奉仕委員会のメンバー、ラエド・ジャラル氏も九日、電子サイト上で、イラク国民議会議員百四十四人が多国籍軍のイラク占領を拒否していると指摘しています。同氏によると、サドル派議員のナセル・ルバイエ氏は、これらの議員が米軍撤退の行程表をつくるよう米国に求める請願書に署名したと述べました。ジャラル氏はイラク議会内でのこのような動きは初めてであり、「重要な進展」だと評価しています。

 ジャラル氏はまた、米軍のイラク占領を支持しているグループの有力メンバーとして、マリキ首相(ダアワ党)、イラク・イスラム革命最高評議会の指導者アブデルアジズ・ハキム氏、タラバニ大統領(クルド愛国同盟)、クルド同盟のバルザニ議長らの名前をあげ、これらのグループが米軍撤退の行程表設置を拒否し、石油やガスの天然資源を政府の管轄から外資を含めた企業に引き渡す民営化を促進していると述べています。



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