2007年5月12日(土)「しんぶん赤旗」
年金の安心損なう
社保庁法案 民間委託を批判
高橋議員
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日本共産党の高橋千鶴子衆院議員は十一日の衆院厚生労働委員会で、社会保険庁の分割・民営化法案について、国民の信頼の回復につながらず、安全・安心を損なうことになるとただしました。
高橋氏は、不祥事は組織的なものであって一般職員への責任押し付けは許されないとのべ、現在の幹部が新法人の役員にそのまま移行するのでは刷新にならないと指摘。柳沢伯夫厚労相が「具体的人事に言及しない」と答弁を避けたため、高橋氏は、幹部が漫然と移ることでは信頼回復はできないと強調しました。
政府は年金業務を民間委託しても、監督や是正命令などで国の責任を果たすと説明しています。
高橋氏は、民間委託の計画や職員採用基準が、内閣府におく第三者委員会で検討する仕組みをとりあげ、安定運営を損なう計画が出ても拒否できるのかと質問。柳沢厚労相が「ひっくり返すことはない」と答えたため、高橋氏は、これでどうして年金運営に厚労省が責任を果たせるのかと批判しました。
高橋氏は「民間委託で業務がバラバラに細分され、委託先も都道府県によって変わり、長くても三年で入れ替わることになる」と指摘。長期間、正確な記録が求められる年金記録をはじめ保険料の収納・適用など重要な業務が、継続して安定的に運営される保障がなくなると強調しました。
柳沢厚労相は「(年金運営の)継続性から問題だということは念頭に置く」としながらも「外部委託で効率性をチェックすることが必要だ」とのべ、年金の安定運営を危うくする民間委託に固執する姿勢を示しました。
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