2007年5月12日(土)「しんぶん赤旗」
「新憲法草案 実現に努力」と首相
ごり押しの目的浮き彫り
安倍晋三首相出席のもとおこなわれた十一日の参院憲法調査特別委員会の質疑で、政府・与党が改憲手続き法案をごり押しする目的に、九条改憲、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権行使があることが改めて浮き彫りとなりました。
自民党の舛添要一議員は「(内閣法制局による)集団的自衛権の権利は持っているが行使はできないという解釈、こんなばかげたことはない」「憲法は残ったが、国は滅んだでいいのか」と強調しました。
安倍首相は「日本と世界の安全保障環境の変化に対応するため、法的基盤を整備する必要がある」とのべると同時に、日米関係について、「かけがえのない同盟を揺るぎないものにする努力をしなければならない」とし、海外で米国とともに武力行使できる日本をめざす立場を表明しました。
民主党の簗瀬進議員は「首相が憲法改正を明言したことで、逆に改正を遠ざけてしまった」と主張。これに対し首相は、憲法九条二項を削除し、「自衛軍」を明記した自民党の新憲法草案に言及し、「草案がまとまった以上は、その実現に努力していくことは当然で、誠意ある態度だ」と答弁。民主党の前川清成議員に対しても、「新憲法草案の存在を知らしめていきたい」とのべました。
■関連キーワード