2007年5月11日(金)「しんぶん赤旗」

「無年金 貯金底つく」

「生活保護110番」に相談殺到


 弁護士、司法書士らでつくる首都圏生活保護支援法律家ネットワークは十日、「生活保護一一〇番」を実施しました。

 相談の電話は首都圏だけでなく、北海道や大阪府など全国各地から殺到し、二十八人の法律家と二人のボランティアがていねいに応対していました。

 相談件数は全部で百三件。そのうちすでに生活保護を受給している人からは二十九件、まだ利用していない人からは七十四件でした。

 福祉事務所に相談に行ったことのある、一九二六年生まれの女性は、月三万円の年金だけです。福祉事務所から「持ち家を処分してから来なさい」と追い返されたため、電話しました。応対した弁護士は、「申請書も渡さない福祉事務所の対応は違法です」と説明しました。

 両親と離れて暮らす男性は、「父親はうつ病で仕事ができない。しかも多重債務をかかえているが、生活保護を受けられないか」と相談しました。電話を受けた法律家は、多重債務者でも生活保護を受けられることを説明しました。

 家賃月三万七千円の都営住宅に妻と住む男性(73)は、「年金がなく、貯金も底がつきた」と生活保護を受けたいと電話してきました。間違いなく生活保護の対象となるため、担当した法律家は、手続きをとるようアドバイスをしました。

 主催のネットワーク事務局長・森川清弁護士は、「北九州市の餓死事件が風化しないように、また二度と同じ事件が起こらないようにと呼びかけていきたい」と話していました。


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