2007年5月11日(金)「しんぶん赤旗」
米軍再編負担
グアム移転後も追加
緒方氏質問 防衛相、否定せず
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久間章生防衛相は十日の参院外交防衛委員会で、在日米軍再編に基づき在沖縄海兵隊がグアムへ移転した後も、新たに日本側が費用負担する可能性を否定しませんでした。日本共産党の緒方靖夫議員への答弁です。
国防総省の報告書「米太平洋軍の構造変化」(三月)によると、米海兵隊はグアム移転に伴い、輸送費や施設改修費など年間に四億六千五百万ドル(約五百五十億円)が、さらに必要になると試算する一方で、その予算の手当てがついていない状況です。
緒方氏は、昨年五月に日米で合意した約七千億円のほかに、こうした経費まで日本側が負担することはありうるのかとただしました。
防衛省の大古和雄防衛政策局長は「基本的にない」と答弁。緒方氏が「例外があるのか」とたたみかけたのに対し、久間防衛相は「『基本的には』というのは、例外があったときにしかられるから予防線を張っている」と答弁し、可能性を認めた形になりました。
緒方氏は、グアム移転費を日本側で負担する根拠として、先の米側の報告書も、防衛省の説明資料も“グアム移転後も任務に日本防衛がある”と強調していることを示し、久間防衛相も同じ認識なのかとただしました。
久間防衛相は「あまり強調するのはどうか」としつつ、「間違ってはいない」と答弁しました。
緒方氏は、この理屈でいけば「日本防衛のため」という建前さえつければ、あらゆる米軍部隊の経費まで負担が可能になりかねないと指摘。「グアムの移転費はもちろん、移転後の費用も、日本が負担する理由など一切ない」と批判しました。
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