2007年5月11日(金)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案 参考人質疑
与党枠から出席なし
野党推薦人「セレモニーか」
改憲手続き法案をめぐる十日午前の参院憲法調査特別委員会の参考人質疑は、日程を提案した与党自身が推薦枠の一人を決められず、与党推薦のもう一人の参考人も「体調不良」を理由に欠席、野党推薦の参考人(二人)だけの出席で行うという異常な事態になりました。
与党と民主党が、参考人質疑の日程を決定したのは、わずか二日前の理事懇談会。与党が採決の環境を整えようと、無理な日程をつめこんだことが背景にあります。
出席した法政大学の五十嵐敬喜教授は、「ここにいることは心地よくない。明らかに出来レースで、セレモニーとして(参考人に対する)質問が行われている感じがする」と強調。十一日には委員会採決、来週には本会議採決という報道がなされていることを指摘し、「私たちの意見はどこにどのように参考にされるのか」と厳しく指摘しました。
東京慈恵会医科大学の小沢隆一教授も、「参考人も自分の意見をつくるには、それなりの情報と時間が必要だ。こういった運営のしかたはあらためていただきたい」と要求しました。
両参考人は、公務員・教員規制など法案の欠陥を厳しく批判。小沢氏は、法案が規制する対象や内容のあいまいさを指摘し、「処分を恐れる公務員や教員が結局、個人としての意見表明も控えることにならないか」と、その委縮効果の重大性を強調しました。
質疑の中で日本共産党の仁比聡平議員は、「大事なのは、参考人も、(公務員・教員規制は)きわめてあいまいで法律らしからぬ規定だと感じていることだ」と指摘。法案が、採決を行えるような状況では到底ないことを示しました。
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