2007年5月11日(金)「しんぶん赤旗」
金持ちほど保険料減
後期高齢者医療 あまりに不公平
小池議員が追及
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来年四月から始まる後期高齢者医療制度の保険料は、大金持ちほど軽減され、低所得者には重くのしかかる――。日本共産党の小池晃議員は十日の参院厚生労働委員会で、わずかな年金からも保険料を取り立てる一方、年収八百万円以上はいまよりも負担が減るという試算を示し「あまりに不公平な制度だ」と追及しました。
後期高齢者医療制度では、七十五歳以上のお年寄り全員から保険料を徴収します。保険料は平均月六千二百円とされていますが、事務費などが試算に含まれていないため、厚労省の水田邦雄保険局長は、実際にはさらに高くなることを否定しませんでした。
小池氏の試算によると、給与年収三百万円の場合で保険料が年四万一千円増えるなど、年収七百万円以下の人は負担増になります。一方、年収八百万円以上の人はいまよりも負担が軽くなり、年収二千万円を超えると五十一・七万円もの負担減になります。水田局長は「こういった事例もありうる」と認めました。
小池氏は「日本経団連前会長のような大企業役員の保険料の負担は大幅に軽減されることになる」と批判しました。
さらに小池氏は、来年四月から六十五歳以上の国保料が年金から天引きされる問題を追及。大阪市の一人暮らしの高齢者で年金額が月一万五千円の場合、介護保険料と国保料を合わせて月四千四百十三円の負担になるという試算を示し「年金の30%近くが強制的に奪われる」と指摘しました。
柳沢伯夫厚労相は「天引き額が年金額の二分の一を超えないように配慮する」と答弁。小池氏は「それで『配慮している』なんてとんでもない。憲法二五条の生存権の侵害だ」と批判しました。
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