2007年5月10日(木)「しんぶん赤旗」

メルコスル議会発足

南米5カ国 「地域統合へ新段階」


 【メキシコ市=松島良尚】南米南部共同市場(メルコスル)の事務局が置かれているウルグアイの首都モンテビデオで七日、加盟五カ国で構成されるメルコスル議会が発足し、議長、副議長および当面の議事日程を決める特別委員会を選出しました。ウルグアイのニンノボア副大統領は、「この議会は地域統合プロセスにおける民主主義の弱点を克服するもので、メルコスルの新段階だ」と強調しました。

 メルコスルは関税同盟として一九九五年に発足しましたが、米国がすすめようとした米州自由貿易地域(FTAA)構想への反発が強まる中、エネルギー網の構築や社会分野の協力を含め地域統合の核として位置づけられるようになっています。現在、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラが加盟しています。

 メルコスル議会は国民参加という視点から昨年設立されました。議会運営以外については決議権は持ちませんが、統合プロセスに関する見解表明や勧告、提案、フォーラムの招集などの権限を有します。

 定数は九十。二〇一〇年から加盟五カ国の普通選挙で十八人ずつが選出されますが、発足にあたっては各国の議会でメルコスルに関連する委員会の議員を中心に選出されました。

 ブラジルのアモリン外相は、「メルコスルは統合のエンジンだ」と述べ、議会はメルコスルの制度の強化に役立つと指摘。アルゼンチンのシガル外務省経済統合次官は、一九九〇年代に新自由主義政策を推進した諸政権を批判し、「メルコスルは民主主義の保証となるものだ」と述べました。


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