2007年5月9日(水)「しんぶん赤旗」
女性自衛官が国を提訴
札幌地裁 暴行未遂・退職強要を告発
道内の航空自衛隊基地に勤務する現職女性自衛官(21)が八日、隊内で受けた性的暴行未遂とその後の上司による隊内行事からの排除、退職を強要されたなどとして、国を相手取り、千百万円余の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴しました。
女性自衛官の父親(48)は記者会見で「私の人権と女性としての尊厳を取り戻すため、国とたたかいたい」という女性のコメントを代読。「日本は法治国家であり、これは許されない行為なのだということを当事者に理解してほしい」と語気を強めて語りました。
訴状によると、女性自衛官は昨年九月九日未明、基地内の寮で就寝中に泥酔した男性隊員からボイラー事務室に呼び出され、わいせつ行為をされてひじなどにけがを負いました。女性自衛官は暴行事件直後、上司らに事情を話して改善を求めましたが、逆に基地内の異端者、厄介者扱いされたうえ、基地からの外出不許可・忘年会や新年会などの行事から排除され、退職強要されました。
弁護団の佐藤博文弁護士は「上官の命令に絶対服従を強いられている自衛隊組織のなかで、独身女性自衛官に対して重大な権利侵害が行われたものである。同様の人権侵害は自衛隊内では日常茶飯事となっており、今回の件は氷山の一角」と指摘しました。