2007年5月9日(水)「しんぶん赤旗」
思想・態度を国が管理
衆院教育再生特 参考人が学校教育法案批判
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衆院教育再生特別委員会は八日、教育三法案に関する参考人質疑を行いました。四人の参考人が学校教育法改定案についての意見を述べました。
国際基督教大学の藤田英典教授は、法案が新たに設けた義務教育の目標の中で、「我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き」としているのに対し、「外国の文化」は単に「理解」としかしていないことを指摘。「特定の考え方を教えるニュアンスを含んでいるのではないか」と危ぐを示しました。
法政大学の佐貫浩教授は、義務教育の目標に「態度」を多く盛り込んだことは「憲法の保障する思想・良心・表現の自由を侵すものだ」と批判。「国民の思想や態度を公教育において管理する『国家による国民資質規定法』になる危険性がある」と指摘しました。
また佐貫氏は、法案が「小学校の教育課程に関する事項は…文部科学大臣が定める」(三三条)としていることは「教育内容への国家統制を法的に許容するものとなる」と批判しました。
学校に副校長などの新たな職を置くことについて、藤田氏は「官僚的な制度を学校教育に持ちこみ、教職員の協働性や創意工夫の基盤を突き崩す危険がある」と述べました。
日本共産党の石井郁子議員は、教育の目標に徳目や態度を養う問題点を質問。佐貫氏は「内心の自由や態度を国家が規定してはいけないというのは市民国家の基本原則。それを侵すことになる」と批判しました。
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