2007年5月8日(火)「しんぶん赤旗」

改憲手続き法案(国民投票法案)

地方公聴会で批判続出

与党推薦の公述人からも


 九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案にかんする参院憲法調査特別委員会の地方公聴会が七日、福岡市と札幌市で開かれ、それぞれ四人の公述人が意見をのべました。

 福岡会場では、福岡大名誉教授の石村善治氏が「政権与党の改憲方針に沿うように衆参で急速な審議がなされ、国民の意思がそれに従わされている」と批判。そのうえで、最低投票率の規定がない問題や広範な運動規制などをあげ、「法案は国民主権に反する内容であり、廃案にすべきだ」とのべました。

 また、与党推薦の梁井迪子・西日本工業大理事は「公務員も一有権者としてもっと意見をのべることができるようにすべきだ」と提起。民主党推薦の清田信治・福岡県議は「護憲、改憲、加憲の区別なく法案に対し、『見切り発車』『生煮え』などの意見がだされているのは、不備の多さのためだ」と指摘、公務員法上の規制除外や最低投票率制度の創設などを主張しました。

 札幌会場では、弁護士の小坂祥司氏が「改憲手続き法案は審議不十分であり、いま強行採決してまで急いで成立させる理由はない」と指摘。最低投票率についても「憲法九六条の要請にこたえるもの」とのべ、公務員・教育者への運動規制についても「自由に議論して意見表明できることが必要だ」として「賛成できない」とのべました。

 また、山口二郎・北大教授は公務員などの運動制限について「党利党略と考える。護憲で動かされるのはうっとうしいという、憲法私物化の議論だ」と批判。与党推薦の越前谷民雄弁護士も「最低投票率を定めても憲法違反とはいえない」とのべました。

 一方で、「改憲のため手続き整備は必要不可欠」(福岡・植村敏光日本青年会議所九州地区協議会会長)などと狙いを露骨に示す発言が相次ぎました。



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