2007年5月5日(土)「しんぶん赤旗」

海外派兵へ

鍵は「地球」と「世界」

防衛省・自衛隊のロゴやシンボル


 防衛省と自衛隊のロゴマークやシンボルマークに「地球」や「世界規模」を表すものが目立っています。ことし一月の防衛省「昇格」、海外展開任務の「本来任務化」などアメリカ軍とともに「海外で戦争する国」にむけた憲法違反の海外派兵体制づくりの“野望”が色濃くにじみでています。

省「昇格」記念

 青い球を包む緑の円――防衛省のホームページを開くとこんなイラストが飛びこんできます。

 防衛省への「昇格」を記念して作成したロゴマークです。「緑の部分は26万人の自衛隊員」で、「自衛隊員の両腕に守られている青い球の部分は地球」とあります。日米安保条約の枠をこえた「世界のための日米同盟」(安倍首相の一月の施政方針演説)の証しと見えます。

 三月二十八日に編成された陸上自衛隊の「中央即応集団」(CRF)のシンボルマークはもっとあからさまです。

 同集団は日本初の海外派兵のための“緊急展開部隊”です。文字はすべて英語で、日の丸と日本を中心にした世界地図のイラストの上部に三つの桜と「CRF」の文字で構成されています。

 同集団司令部作成の冊子が解説します。「司令官(陸将=三つの桜)の下、日の丸を背負い、世界規模で活躍するCRFを表している」

 一方、「あらゆる作戦情報を一元的に管理・処理する」とのふれこみで三月二十八日に発足した陸上自衛隊「中央情報隊」のロゴマークのデザインも背景に「世界地図」。

 同隊には、海外派兵先で米軍やCIA(アメリカ中央情報局)と連携、いちはやく治安・作戦情報を収集し、現地の有力者を「取りこむ」ことを任務とする「現地情報隊」が組みこまれています。

こだわる理由

 防衛省と自衛隊が「地球」「世界」になぜこれほどこだわるのか――。

 自衛隊に詳しいジャーナリストの松尾高志氏は日米同盟のグローバル化をあげます。「防衛省への昇格と同時に自衛隊の海外展開任務も本来任務化された。あわせて米軍再編の過程で日米同盟も地球規模のグローバルアライアンス(同盟)へと変化した。自衛隊は日本防衛のみならずグローバルな展開が要求されるようになり、ロゴやシンボルマークはそうした意味が象徴的に表現されている」


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