2007年5月3日(木)「しんぶん赤旗」
平和支え 憲法60年
9条を8割が評価 世論調査
きょう憲法記念日
日本国憲法は三日、一九四七年五月三日の施行から六十周年の記念日を迎えます。「戦争のない世界」のさきがけとなる決意が込められた九条、先駆的で新しい人権にも対応できる懐深い構造をもった人権条項。憲法は六十年をへていっそう輝きを増しています。ところが、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げる安倍晋三首相のもと、憲法改悪への暴走が加速しています。「海外で戦争する国づくり」をめざす暴走を許すのかどうか、九条を中心に激しいせめぎあいが続いています。
最近の新聞各紙の世論調査は、憲法九条を評価する声が圧倒的です。「読売」四月六日付は、憲法が「日本に平和が続き、経済発展をもたらした」という意見には87%が「その通りだと思う」と回答。「朝日」五月二日付も、78%が「日本が平和であり続けたことに九条が役立ってきた」と答えています。
二〇〇四年六月に発足した「九条の会」を支持する草の根の「会」が六千を超え、小学校区単位、丁目単位で広がりつつあります。宗教者や文化人などの活動も活発です。九条守れの署名活動でも、有権者過半数を達成した自治体が生まれています。
国際社会でも、九条について「国際的な平和と安定に貢献する点で類のない、力強いものだ」(米宗教者・組織連名の書簡)など、国際的な平和秩序の指針としての評価が高まっています。
これに対して、安倍首相は四月二十四日の「新憲法制定推進の集い」で、「憲法改正を必ず政治スケジュールに乗せていく」と発言。海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使容認に向けて有識者会議も設置しました。自民党内では早ければ二〇一一年に改憲を実現する日程表が資料配布され、その第一歩として改憲手続き法案の成立が狙われています。
憲法守れのたたかいは正念場を迎えています。
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