2007年5月1日(火)「しんぶん赤旗」
ALBA首脳会議 閉会
国民奉仕の共同発展を
「宣言」採択 中南米の連帯確認
【メキシコ市=松島良尚】ベネズエラで開かれていた「米州ボリバル代替構想(ALBA)」第五回首脳会議は二十九日、ALBAの性格や目的、今後の事業などを明らかにした「共同宣言」を採択して閉会しました。会議には、キューバ、ニカラグア、ベネズエラ、ボリビアの加盟四カ国と域内の六カ国がオブザーバー参加しました。
「宣言」は、「ALBAのおもな原則は、利己的な民族主義抜きの諸国民間の広範な連帯にある」と確認。「根本目的は、政治と経済が国民に奉仕する共同発展を目標として、域内の変革を生み出すこと」としています。
「宣言」はまた、教育や医療、エネルギー、通信、輸送、住居、食料などの分野における協力事業やプログラムの推進を強調しています。
これらの財源にかかわって、ベネズエラのチャベス大統領は、同国が優遇条件で加盟国とハイチに供給する石油代金の一部をALBAの事業推進の基金に積み立てると提案しました。また、インフラ整備などのために中国に提案していた両国の「大戦略基金」(六十億ドル)の設立に中国が合意したことを明らかにし、同基金もALBAの事業に用いられる見通しだと述べました。
首脳会議は、ALBAを組織的に強化するために大統領常設協議会を設けてそのもとに事務局を置き、さらに閣僚、社会団体の各協議会もつくることを確認しました。
一方、首脳会議に合わせて米州各国から集結した百五十以上の社会団体代表らは「第一回社会運動集会」でALBAの原則を支持するとした最終文書を採択し、首脳らとの対話集会を開きました。これに先立ってチャベス大統領は、「国民不在のALBAなら、ALBAでなくなってしまう。諸国民を団結させるのは大統領ではなく、自覚にもとづく諸国民自身だ」と強調しました。