2007年5月1日(火)「しんぶん赤旗」
主張
第78回メーデー
共同広げ暮らしと憲法守ろう
五月のさわやかな風のかおりを運んで、きょう第七十八回メーデーを迎えました。
八時間労働制を求める労働者のたたかいから始まったメーデーは、世界と日本の働く国民がそのときどきの要求をかかげ、実現のための団結と連帯の力を示す日として、発展してきました。
日本共産党は、生活と権利、平和と民主主義を守るみなさんとともに、メーデー成功のために力をつくします。
貧困と格差をゆるすな
「ワーキングプア」や「過労死」に象徴されるように、雇用、労働問題が、日本社会を揺るがす大問題となっています。日本共産党は、「いまこそ人間らしく働けるルールを」の緊急提案(三月十五日)を発表して、労働者と国民のたたかいと連帯してきました。
「違法なサービス残業と偽装請負を根絶せよ」「だれでも時給千円以上、全国一律最低賃金制を」「残業代横取り、長時間労働野放しのホワイトカラー・エグゼンプションの導入をゆるすな」―。緊急提案でかかげた要求は、組織の違いを超えて、多くの人々が共同できるものです。実際、これらの要求でたたかいが広がっています。
貧困と格差拡大は自然現象ではありません。財界・大企業の目先の利潤追求のためのコスト削減と政府が行ってきた労働法制の規制緩和がもたらした雇用破壊が原因です。「庶民には大増税、大企業・大金持ちには減税」という「逆立ち」税制や、住民負担増や社会保障切り捨ても、貧困や格差を生み出す要因です。「大企業は社会的責任を果たせ」「逆立ち税制をただせ」「消費税増税反対」の声を大きくあげていきましょう。
先のいっせい地方選挙では、暮らしと福祉・医療を守る、切実な願いが寄せられました。介護や国保の負担増反対と負担軽減、医師・看護師不足の解消、安全でいきとどいた医療の実現にむけて、ひきつづき共同をひろげていきます。
開会中の国会には、任期中の憲法改定を公言している安倍内閣のもとで、日本を「海外で戦争をする国」に変えていく、危険な法案がいくつも出されています。改憲手続き法案や米軍再編促進法案はその象徴です。改悪教育基本法の具体化をはかる教育三法改定案(教員免許更新制の導入など)やアメリカが不法な占領をしているイラクへの自衛隊派遣の延長法案も危険なものです。
「従軍慰安婦」問題の真実と歴史をゆがめ、侵略戦争と植民地支配を美化する勢力に、改憲を許すことになるならば、これほど恐ろしいことはありません。
「九条の会」が一年間で約二千増加し全国で六千を超えて広がっています。憲法九条改憲反対の国民多数派を結集する運動を強め、安倍内閣・自公政権の改憲・タカ派的策動を許さない力にしていきましょう。
政治の流れを変えよう
七月の参議院選挙は、改憲・タカ派の安倍内閣・自公政権にきびしい審判をくだす絶好の機会です。
自民党も民主党も、改憲と消費税増税では共通しています。アメリカ・財界いいなりの「二大政党づくり」は、働く国民の利益と相いれません。
「たしかな野党」日本共産党が前進してこそ、生活と権利、平和と民主主義を守ることができます。
国民の共同を広げ、政治の流れを変え、日本の未来を開こうではありませんか。