2007年4月29日(日)「しんぶん赤旗」
「昭和の日」 狙い何か
歴史学者・宗教者らが集い
「昭和の日」を考えるつどいが二十八日、東京・池袋の豊島区立生活産業プラザで開催されました。歴史教育者協議会や歴史学研究会など五団体が事務局団体として参加する、「建国記念の日」に反対し思想・信教の自由を守る連絡会が主催しました。
石山久男歴史教育者協議会委員長は、「昭和の日」制定の経過と背景について報告しました。戦前は「天長節」、戦後は「天皇誕生日」、天皇の死後は「みどりの日」、そして今年から「昭和の日」となった経過を説明し、「昭和の日」の制定が「国民の歴史認識にたいする大きな攻撃」だと批判。「天皇と天皇制の戦争責任を隠ぺいし、国民がよろこんで軍隊や国家に協力するしくみをつくる狙いがある」とのべ、そのねらいをねばり強く明らかにしていくとりくみが重要だと語りました。
真宗大谷派僧侶で日本宗教者平和協議会事務局長の石川勇吉さんは、宗教者からみた「昭和」について発言し、真宗大谷派が戦前の戦争協力への反省から「不戦決議」をあげ憲法改悪反対の運動などにとりくんできたことを話しました。
一橋大学名誉教授の中村政則さんは、「昭和天皇とその時代」について語り、「保守勢力は天皇が戦後にいったことをもって平和主義者としての天皇像を描こうとする」と指摘。アジア太平洋戦争をめぐる戦争観の変化などを分析しながら、「戦争への道か平和への道か、いまわれわれは戦後最大の岐路にたっている」とのべました。