2007年4月29日(日)「しんぶん赤旗」
仏外相「アフガン撤退も」
【パリ=浅田信幸】フランスのドストブラジ外相は二十七日、アフガニスタンに派遣されている仏軍部隊について、「長期にわたり一国を占領し続けることはない」と述べ、可能になり次第、撤退させる意向を明らかにしました。同氏は、長期駐留が「主権と民族独立、領土保全の尊重というフランスの価値にも反する」と語りました。
一方、大統領選挙で与党・国民運動連合(UMP)から立候補しているサルコジ党首・前内相は二十六日、出演したテレビ番組で「(アフガニスタンへの)仏軍の長期駐留は決定的だとは思えない」と発言しました。
これらの発言は人道援助の非政府組織(NGO)で働く二人の仏人活動家がイスラム原理主義のタリバン勢力に拉致された状況下でなされたもの。仏政権与党内部で同国駐留について再検討が行われていることをうかがわせます。拉致されていたNGO活動家のうち一人は二十八日、無事に解放されました。
フランスは二〇〇三年秋以来、北大西洋条約機構(NATO)が指揮するアフガニスタン国際治安部隊(ISAF)に約千人の部隊を派遣しています。これとは別に、タリバン掃討を目的とする米国主導の「不朽の自由」作戦に派遣していた二百人の仏特殊部隊は昨年末に撤退しています。