2007年4月25日(水)「しんぶん赤旗」

医師養成の抜本増迫る

医労連が調査もとに提言


 日本医療労働組合連合会(日本医労連)は二十四日、東京都内で記者会見し、「深刻な医師不足を打開するための私たちの提言」を発表しました。全国実態調査を踏まえたもので、調査した病院のうち、三年間に70%の病院で医師が減少していました。日本の医師不足は、OECD(経済協力開発機構)平均で換算すると十二万人にのぼっており、これが深刻な実態を招いています。

 提言は、この解消のために、根本原因となっている政府の医療費抑制、医師養成削減政策を改め、医師養成数を抜本的に増やすこと、当面、医学部定数を最高時の八千三百六十人まで戻すように主張しています。

 医師不足の実態を緊急に調査し、医師の緊急配置、医師紹介(派遣)のシステムの構築、医師不足地域で医師が確保できるよう国と自治体・大学等が連携をとって対策を強化することを提起しています。

 地域の救急体制の整備・拡充をおこない、産科や小児科などの集約化・重点化をやめ、地域で安心して子どもを産み、育てられる体制をつくること、医師の勤務条件は労基法を守るよう改善するための緊急対策をとるなどを提起しています。

 記者会見した池田寛副委員長は「医師不足、勤務医の労働実態が、ますます深刻化している」と強調。日本医労連が初めて実施した「医療施設の医師不足実態調査」(二十一府県五十五施設)結果にふれ、この三年間で計百五十九人の医師が減り、患者の待ち時間増や内科医が月七、八回の当直をしなければならないなどの影響が出ているとのべました。

 また、「医師の労働実態調査」最終報告結果を発表。勤務医の八割以上が宿直を伴う三十二時間連続勤務を月三回こなし、三割が月の休みゼロ、三割が過労死ラインの八十時間以上の時間外労働を行っている実態を明らかにしました。



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