2007年4月25日(水)「しんぶん赤旗」

出席決定 3日前の夜
資料見たのは 当日朝

公述人が相次ぎ批判

参院憲法調査特 地方公聴会


 出席が決まったのは三日前の夜、資料を手にすることができたのは当日の朝―参院憲法調査特別委員会が二十四日におこなった地方公聴会で、公述人からこんな批判が相次ぎました。

 仙台市の会場では、福島県立医科大学の藤野美都子教授(憲法)が冒頭の日程を紹介し、「今回のような公聴会の開催は、法案を通過させるための形式的な手続きと指摘されても仕方がない」と批判。特別委員会の委員も、与党推薦の渡辺泰宏氏(東北経済連合会の事務局部長)の出席を聞いたのは当日の朝。渡辺氏自身も「あわただしかった」と感想をのべるほどでした。弁護士の佐々木健次氏は「結論先にありきではないか」と批判しました。

 公述人からは憲法の役割を高く評価する発言も相次ぎました。名古屋市の会場では、日弁連の憲法委員会事務局次長を務める笠松健一氏が「人権救済活動のなかで憲法がよくないから人権救済ができないと思ったことは一度もない」と強調。仙台会場の佐々木氏も、「日本国憲法を変える前に、憲法の高まいな人権思想を、実社会で現実化するために立法・行政等でいっそうの努力をする必要がある」と指摘しました。

 藤野氏は「これまで手続き法案がなかったからといって、国民になんらかの不利益が生じたのか」と批判。五月三日までに手続き法案を成立させようとする安倍晋三首相の発言について「憲法九九条により、憲法尊重擁護義務が課されている人の言動としては、あまりにも思慮がなさすぎる」と批判しました。



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