2007年4月25日(水)「しんぶん赤旗」
改憲手続き法案地方公聴会
「百年の計左右、慎重に」
与党推薦人も「最低投票率必要」
九条改憲と地続きの改憲手続き法案にかんする参院憲法調査特別委員会の地方公聴会が二十四日、仙台、名古屋の両市で開かれ、「国家百年の計を左右する投票法案を審議するのに、こんなに早くていいのか」(弁護士の佐々木健次氏=仙台)など慎重審議を求める意見があいつぎました。
名古屋会場では、三重県の日沖靖・いなべ市長が「憲法という国の根幹にかかわることがいかに周知徹底されるのか懸念材料だ」として、「手続きとはいえ慎重に取り扱うべきだ」と述べました。
一定の投票率に達しないと無効とする最低投票率についても、名古屋会場で、与党推薦の名城大の網中政機教授が「せめて40―50%の定めが必要」と発言。自民党委員が最低投票率を忌避する理由に「字句修正の条項も最低投票率をクリアしなくてはいけなくなる」と述べたのに対し、弁護士の笠松健一氏は「単なる字句修正だから投票率や賛成が1%でもよいという議論は成り立たない。国民主権に反する乱暴な議論だ」と批判しました。
仙台会場では、与党側推薦の公述人が「(導入は)憲法違反の恐れがある」と主張。福島県立医科大の藤野美都子教授(憲法)は「主権者・国民の意思を慎重に判断するために、最低投票率を設定することはなんら憲法に違反しない」と指摘し、佐々木氏も「国民の多数が明白かつ積極的に改憲を望んでいることを確認するためには、最低投票率の定めが必要だ」と述べました。
教育者・公務員の運動制限について、藤野氏は「憲法を守り生かすべきだと考える教員が大学の講義や地域の学習会で話す際、どこまでが禁止されるのか」と疑問を提示。法案には表現の自由や学問の自由を保障する担保がないと批判しました。
仙台会場では、日本共産党の仁比聡平議員が公述人に質問しました。
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