2007年4月24日(火)「しんぶん赤旗」

分離壁建設の中止命令

イラク首相 米軍は推進表明


 【カイロ=松本眞志】イラクのマリキ首相は二十三日、訪問先のエジプトの首都カイロで記者会見し、米軍がイラクの首都バグダッドのアザミヤ地区で行っている分離壁の建設を中止するよう命じたと明らかにしました。汎アラブ紙アッシャルクアルアウサト二十三日付によると、マリキ首相は「イラク国民を保護する方法はほかにもある」と述べました。

 イラク国民議会の各会派も分離壁建設への反対を表明。国民議会議員のマッキ氏(イラク合意戦線=イスラム教シーア派)とイラク国民名簿(世俗派)のシャアバンダル議員は、壁の建設が「治安作戦の失敗を意味する」と指摘しました。

 統一イラク同盟サドル派のルバイエ議員(シーア派)は「外国勢力が宗派間抗争をあおっている」として、イラクの内部に宗派間抗争の原因はないとの認識を示し、クルド同盟のオスマン議員は「(壁の建設は)最大の失敗であり、人権侵害だ」と批判しました。

 一方、イラク駐留米軍は同日、イラクの主権を無視し、政府省庁の集中するグリーンゾーン、ラシド地区、アミリヤ地区などアザミヤ地区以外でも推進するとの方針を明らかにしました。



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