2007年4月24日(火)「しんぶん赤旗」
フランス大統領選
サルコジ氏とロワイヤル氏
来月6日に決選投票
【パリ=浅田信幸】二十二日に実施されたフランス大統領選挙の第一回投票は、即日開票の結果、一位は保守の国民運動連合(UMP)党首のサルコジ前内相(52)で得票率31・18%、二位は社会党(PS)のロワイヤル元環境相(53)で同25・87%でした。両者の間で二週間後の五月六日、決選投票が行われることになりました。
選挙戦の途中から支持率を急進させた中道の仏民主連合(UDF)議長バイル元教育相が第三位になり、前回決選投票に残った極右の国民戦線(FN)ルペン党首は第四位に終わりました。他の八候補はいずれも得票率5%に届きませんでした。
有権者の関心は高く、投票率は83・77%と前回を12ポイント上回りました。
開票結果を受けてUMPとPSの両陣営では、直ちに決選投票に向けた活動を開始しました。
サルコジ氏は「将来を恐れている人々を暴力や犯罪から守りたい」「フランスの新しい夢のまわりにフランス人民を結集しよう」と呼びかけました。
ロワイヤル氏は「機能不全に陥っている現体制から脱しなければならない」「市民的平和に仕えるものだから、勝つのは私たちの思想であり、理想だ」と訴えました。
現在の政治と社会に多くの国民が不満を抱いているもとで、両者はそれぞれ「決別」「変化」を主張しています。
サルコジ氏の基本姿勢は規制緩和という新自由主義的処方による改革をめざし、ロワイヤル氏は市民による政治の監視など参加型民主主義の発展を提唱。フランスの新たな社会モデルをめぐって、決選投票に向け新たな論戦が始まりました。