2007年4月24日(火)「しんぶん赤旗」
電力役員格付け 自民献金
会長社長30万
平取締役12万
事実上の企業献金
電力各社で原発のトラブル隠ぺいやデータ改ざんなどの不正が相次いで発覚、経済産業省の行政処分が二十日に出されましたが、東京電力など九電力の役員のうち、八割近い百五十七人が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に二〇〇五年の一年だけで総額二千六百万円を超す献金をおこなっていたことが本紙の調べでわかりました。
05年157人 2600万円
総務相に提出している政治資金収支報告書によると、沖縄電力を除く九電力会社の役員が七万―三十二万円の献金を国民政治協会におこなっていました。
最高の三十二万円は、中部電力の川口文夫会長で、電気事業連合会の会長を務める勝俣恒久東京電力社長は三十万円、臨界事故を隠ぺいした北陸電力の永原功社長は二十七万円、水力発電所の取水量改ざんが明らかになった関西電力の森詳介社長も三十万円でした。
会社別にみると、もっとも多いのは、四国電力の二十二人、三百四十三万六千円。一番少ないのは、北陸電力が十二人、二百二十二万円でした。(表参照)
個人献金の形をとっていますが、いずれの電力会社も会長、社長、副社長、常務…と献金額にランクづけがあることが特徴です。たとえば、東北電力の場合、会長、社長が三十万円、副社長四人が二十五万円、常務五人が二十万円、取締役四人と常任監査役二人が十二万円と、申し合わせたように同じ金額となっています。
ガス会社、銀行などとともに公共性があるため、企業としての献金はおこなわれていません。しかし、こうした実態は事実上の企業献金というべきものです。
電力各社の不正は、一万件を超し、二十日には、経済産業省原子力安全・保安院が、北陸電力、東京電力など四社に重大事故が経営責任者にただちに通報されるよう保安規定の変更を命じる行政処分をおこないました。
しかし、これは不正の内容からすればきわめて甘い処分です。長年にわたる事故と隠ぺいを見過ごしてきた政府の責任が問われていますが、政権与党への電力会社役員の献金は両者の癒着ぶりを示すものです。
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