2007年4月23日(月)「しんぶん赤旗」
自立支援法
5割「負担増えた」
障害者団体調査 7割「今後不安」
障害者自立支援法が昨年四月に施行され、五割以上の人が医療・福祉サービスの自己負担が重くなり、七割の人が今後のサービス利用に不安を訴えていることが、日本障害者協議会がまとめたアンケート調査で分かりました。
自民、公明両党が成立させた障害者自立支援法で、利用量に応じて自己負担が重くなる「応益負担」が導入されました。調査は、医療・福祉サービスの自己負担の実態や生活への影響、将来への不安などを把握するため、同法施行前の二〇〇六年二月と、施行後の同年七月に、同一の障害者を対象に行いました。
施行前のアンケートには五百四十人、施行後のアンケートには四百十四人が回答しました。
施行後の外来受診時の自己負担について聞いたところ、「負担なし」は四割程度で、六割の人に自己負担がありました。今後の医療サービス利用には、七割の人が「不安がある」「どちらかというと不安」と答えました。
福祉サービスについて七割近い人が「負担が増えた」と答え、今後の福祉サービスの利用には七割以上の人が不安を訴えました。負担増のため利用を中止したり、減らしたりした人が一割いました。
回答者の平均月収は約十万八千円で、六割近くは十万円未満でした。
自立したくてもできない生活実態のもとで、自立支援法施行後、負担増への対応として「預貯金を減らした」人が31・2%、「家族の経済的負担を増やした」人が33・2%いました。また、交際や旅行、学習など社会参加に必要な支出を切り詰めていて、同法施行によって生活苦と社会的な孤立に拍車をかけている実態が浮き彫りになりました。
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