2007年4月23日(月)「しんぶん赤旗」
国会審議 異常な加速
与党、悪法成立急ぐ
国会は異常事態で緊迫しています。二十六日からの安倍晋三首相の訪米に合わせ、政府・与党が改憲手続き法案など「軍事・強権国家」づくりとなる重要法案の相次ぐ成立を前提に、審議を加速させているからです。「『安倍カラー』を優先させた異例の法案だんご状態」(国会関係者)です。
九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案について自民、公明両党は参院での「目標審議時間」とする四十時間を突破するため、参院憲法調査特別委員会の連日審議をごり押ししてきました。民主党は与党の日程提案を受け入れてきましたが、日本共産党は厳しく反対しました。
NHK世論調査では法案の今国会での成立を求めているのは国民の8%しかありません。しかし与党は大型連休に入るまで連日、特別委で審議し、採決の条件を整える構えです。特別委のある自民党議員は「選挙民は(参院選対策のために地元に帰ってきてくれと)待っている。そのためにも早く成立させなければならない」とあからさまです。
国会会期末は六月二十三日で、土日祝日を除き審議できるのは残り四十二日間。七月に参院選を控え会期延長が難しいことも国民世論無視の“与党暴走”に拍車をかけています。
改悪教育基本法による教育統制を具体化する教育三法案は二十日に衆院教育再生特別委員会で審議入りしました。週明けから一般質疑や参考人質疑が行われます。ここでも与党は連日審議の構えで、五月中旬の衆院通過を狙っています。
イラクへの自衛隊派兵を二年延長する特措法改悪案は二十四日の衆院本会議で審議入りし、与党はイラク特別委員会での質疑に入る予定。衆参両院で、改憲、教育、イラク派兵という重要法案に関する三つの特別委が同時に動くという異例事態です。
改憲手続き法案と同時に与党が衆院可決を強行した在日米軍再編促進法案は与党と民主党との合意で、二十五日に参院本会議で審議入りすることが決まりました。年金に対する国の責任を放棄する社会保険庁「改革」関連法案は大型連休明けに衆院で審議入りする見通しです。
緊迫国会を前に、市民団体や労働組合は改憲手続き法案や教育三法案など悪法反対の国会行動や集会に取り組みます。国会内外のたたかいが重要になっています。
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