2007年4月22日(日)「しんぶん赤旗」
米バーモント州上院
大統領弾劾を決議
州では初 「イラク戦争に引き込む」
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【ワシントン=山崎伸治】米東北部バーモント州の上院は二十日、泥沼化するイラク戦争の責任を問い、ブッシュ大統領などの弾劾を要求する決議を採択しました。州レベルでは初めて。大統領の弾劾を求める決議は、他の州でも準備されています。
他州でも準備
同州上院で採択された決議は、ブッシュ大統領とチェイニー副大統領が内政・外交で行ってきた職務について、「合憲性や合法性、国民の信頼の悪用という点で深刻な疑問を引き起こすやり方だった」と指摘。
ブッシュ氏が「軍最高司令官としてイラクでの軍事紛争にわが国を引き込んだ」ことと、チェイニー氏が「米軍をイラクにとどめるべきだと繰り返し主張した」ことが、二〇〇一年九月の同時多発テロで他国から寄せられた善意を無にしたと批判しています。
また、両氏が国内ではプライバシーや個人の自由に関し、憲法上の「重大な懸念」を引き起こしていることも明記。バーモント州選出の連邦上院議員と下院議員に対し、両氏の弾劾手続きを開始するよう求めています。
決議は、賛成十六、反対九で可決されました。下院には同趣旨の決議案がすでに提出されており、提案議員が週明けの採決に向けて賛同者を募っています。
バーモント州では三月初めに各自治体で開かれた「タウンミーティング」とその後の議会で、計三十八の自治体がブッシュ大統領の弾劾を求める決議を採択しています。
ブッシュ氏の弾劾を求めて運動を進める民間組織の調査によると、同州のほか、ハワイ、ミズーリ、テキサス、ワシントン、ウィスコンシンの各州で決議案が提出され、さらに約二十の州で準備されています。
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