2007年4月21日(土)「しんぶん赤旗」

改憲手続き法案

危険な狙い隠す公明党

9条改憲への暴走を手助け


 公明党は、自民党とともに九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案を衆院で強行採決したことで、公明新聞に「国民投票法案Q&A」(十三日付)などの記事を載せて言い訳を始めています。


言い訳の特徴

 公明党の言い訳の特徴は、改憲手続き法案の危険な狙いと内容を徹底して隠していることです。

 「Q&A」では、「国民主権を働かせる手続きを整備」などと宣伝する一方、「(憲法の)改正項目がはっきりしてきて、賛否が激しく争われる前に、なるべく冷静な雰囲気の中で、国民投票のルールを考えておくべきだ」などと主張しています。

 こうした議論は、安倍首相自身の言明で破たんずみです。首相は、改憲の中身でも、「日米同盟を「血の同盟」と公言。「時代にそぐわないのは九条だ」とし、「海外で戦争する国」づくりのために九条を改悪する意図を明らかにしています。そのもとで、「任期中改憲」というみずからの改憲スケジュールに合わせて、改憲手続き法案の「今国会での成立」を再三指示してきました。

 しかも、「国民主権を働かせる手続き」といいながら、「Q&A」は法案の不公正で反民主的な内容を徹頭徹尾隠しています。たとえば、法案には最低投票率の定めがなく、有権者の一割台、二割台でも改憲案が承認されてしまうなど、公聴会でも指摘されてきた論点には何一つ触れていないのです。

 「公務員、教育者の地位利用」について「罰則は設けていません」と宣伝していますが、それ自体懲戒処分の対象となること、公務員の政治活動禁止を持ち込んだことにもだんまりです。

「改憲」の立場

 法案が改憲案を通しやすくする内容だからこそ、与党は国民に知られるのを恐れ、衆院で強行採決したのです。公聴会でも圧倒的多数が慎重審議を求めていたこと一つみても、「民主党が党利党略で対応を決めるようでは、合意実現が難しいと判断。…採決に踏み切りました」(Q&A)というのは理由にもなりません。

 「Q&A」は、公明党の憲法に対する態度を「第9条を堅持し、現憲法を補強」などとしています。しかし、衆院憲法調査特別委員会で同党の赤松正雄議員は「かつて護憲という立場をとっていて今、加憲とはいえ改憲の立場に変更したのは実は公明党だけ」(五日)と発言するなど、同党が「改憲」の立場に立っていることを認めました。参院本会議での質問でも、公然と「九条を加憲論議の対象とする」とのべています。

 九条改憲を狙う安倍内閣の暴走に手を貸しながら「9条を堅持」とはごまかしもいいところです。(N)



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp