2007年4月18日(水)「しんぶん赤旗」

長崎市長銃撃

甘い右翼・暴力団摘発


解説

 長崎市の伊藤一長市長を襲った銃撃犯は、長崎県内の暴力団幹部でした。暴力団や右翼団体による政治家へのテロ行為は、繰り返し引き起こされてきました。

 昨年八月には、自民党の加藤紘一元幹事長の実家が右翼団体幹部に放火されました。長崎市では、本島等前市長が右翼団体「正気塾」構成員に襲われています。

 この背景には、政府や警察当局の「政治テロ」への対応の甘さが指摘されています。加藤氏宅放火事件でも当時の小泉純一郎首相が事件についてコメントしたのは、事件後二週間も経過してからで、マスコミからも「政界の反応はなお鈍い」(「朝日」)などと批判されました。自民党関係者も「今の自民党ではタカ派が大手をふっている。だから右翼の暴力は許せない、と堂々と主張しにくい」といいます。

 同時に、ヤミ社会で銃が簡単に入手できる状況が放置されていることもテロ行為につながっています。近年、暴力団関係の短銃の押収件数が減少する一方で、暴力団による銃器抗争に歯止めがかからない要因となっています。

 暴力団や右翼団体に甘い姿勢をみせず、不法行為を徹底的に取り締まることが政治テロを根絶するための急務です。(森近茂樹)


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