2007年4月18日(水)「しんぶん赤旗」
アフガン
899人が巻き添え死
06年 駐留軍との戦闘激化
【ニューデリー=豊田栄光】国際人権団体、ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)は十六日、アフガニスタンでのテロや戦闘に巻き込まれ死亡した民間人が、昨年一年間で少なくとも八百九十九人に上ったとする報告書を発表しました。
アフガンでは旧政権タリバンが組織する反政府武装集団が二〇〇五年ごろから勢力を盛り返し、米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍などの駐留外国軍、アフガン政府軍・警察と、この武装集団との戦闘が激化しています。
報告書によると、「アフガン政府・外国軍」の作戦で死亡した民間人は少なくとも二百三十人、「反政府勢力の爆弾攻撃」で殺された民間人は四百九十二人となっています(表1)。
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昨年一年間の「反政府勢力の爆弾攻撃」は百八十九回を数え、そのうち自爆攻撃は百三十六回。自爆の標的が軍事施設や部隊だったケースは百十二回(82%)、民間施設は十八回(13%)、不明は六回でした。自爆攻撃は昨年、一昨年(二十一回)の六倍に激増しています(表2)。
報告書は、駐留外国軍と政府軍・警察、反政府武装勢力がともに、民間人の生命を考慮せずに無差別攻撃を行っていることが、民間人犠牲者を増やしているとしています。
報告書は政府発表資料やマスコミ報道だけではなく、ヒューマン・ライツ・ウオッチのスタッフが遺族などから直接聞き取ったデータを基に作成されています。